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今年のクリスマスはどうする?聞きたくても訊けない二人。
跡部サイド。





***

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「おい、巴。お前は今年のクリスマスはどうするんだ?」

唐突に跡部景吾は赤月巴に尋ねる。
跡部は昨年のクリスマスはたしか跡部家のパーティーに出席していた。
その合間を見て巴に電話をしたことを今も覚えている。
めんどくさい世界の中で唯一の安らぎの時間だった。
たしか、彼女は青学のパーティーに参加したといっていた。
今年は、どうするんだろうか?。
二人の存在は非常に曖昧だ。
去年ライバル的、練習仲間的存在として出会い、
今年の春のジュニア選抜合宿でパートナーとして何となくそういう雰囲気になって今に至る。
決して、愛だの恋だのという感情入り乱れて今に至っている訳ではない。
もちろん「好きか否か?」と問われれば好きと答えるし
恋していると言われれば素直に認められる。
少なくとも俺の気持ちは決まっている。
俺の隣に立つのは彼女でなければ嫌だし、彼女以外なら必要ない。
しかし、彼女はどう思っているのか。
いわゆる「そういう雰囲気」には何度となくなったことはあるけれども
だからといって決定的な一言を俺は伝えたことがない。
言う必要もないと思っていた。
いつだって俺達は二人でいることに自然で、言葉での確認が必要だと思わなかった。
しかし。
「クリスマスは空いている」と言われれば?
「クリスマスは既に予定がある」と言われれば?
俺は一体彼女にどういった反応を返してしまうだろうか。
訊き方次第では巴の本音を覗いてしまいそうで、怖かった。
しかし、もう口から出た問いはもう戻らない。
時はもう戻らない。



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