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拍手のお礼で使用した話です。
跡部→巴の独白。
『誘い』跡部Version:跡部×巴と対になるお話。
***
例えば、俺様があいつのことを「好きだ」と言ったらどんな顔をするだろう?
容易に想像できること━━━大きな目をこぼれんばかりに見開いて驚く姿、そんな彼女を思い描きながらそばにあったソファに深く身を沈めて笑う。
もっとも、そんなことを彼女に告げるにはまだ早すぎる。
物事なんていうものは全てタイミングで決まる。
いまはまだその時ではないと彼は思っている。
彼女をもっとテニスに集中させるべきだ。
これからの長いテニス人生を考えれば。
けれども、やはり彼女に逢いたいときだってある。
こんな静かな夜は。
幸か不幸か明日は休日。
どうやって彼女を誘い出すか。
単純なようでいて難しい問題だ。
きっと彼女も自分が来いと言えばついてくるだろう。
しかしそれは、いまの自分と樺地の関係と何ら変わりない。
命令じゃなくて、誘わなければならない。
あまり慣れていないことは完璧なはずの自分でも容易ではない。
RRRR……
華やかなオルゴールの音色がサイドテーブルの携帯からあふれ出した。
たったひとりのために設定した曲だった。
少し緊張した面持ちで画面を見る。
『明日また一緒に練習しませんか?』
何の飾りっ気もそれどころか女らしさの欠片もない文字列がそこにはあった。
けれども笑みが浮かぶのは何故だろう?
「…チッ、先を越されちまったな」
簡潔な言葉に対してこちらも簡潔に応える。
自分の文章力を持ってすればどんな言葉だって彼女に伝えられるだろう。
けれども迂闊にも長い文章で彼女に気持ちが伝わってしまったら?
自分の口から紡いだ言葉ではなくてこんな無機質なモノから。
「いつかちゃんと俺様から言わねえとな」
結局ディスプレイに打ち込まれたのはこれ以上短くしようのないものだった。
自分の気持ちがこぼれようのない程に。
『いつものところで』
END
跡部→巴の独白。
『誘い』跡部Version:跡部×巴と対になるお話。
***
例えば、俺様があいつのことを「好きだ」と言ったらどんな顔をするだろう?
容易に想像できること━━━大きな目をこぼれんばかりに見開いて驚く姿、そんな彼女を思い描きながらそばにあったソファに深く身を沈めて笑う。
もっとも、そんなことを彼女に告げるにはまだ早すぎる。
物事なんていうものは全てタイミングで決まる。
いまはまだその時ではないと彼は思っている。
彼女をもっとテニスに集中させるべきだ。
これからの長いテニス人生を考えれば。
けれども、やはり彼女に逢いたいときだってある。
こんな静かな夜は。
幸か不幸か明日は休日。
どうやって彼女を誘い出すか。
単純なようでいて難しい問題だ。
きっと彼女も自分が来いと言えばついてくるだろう。
しかしそれは、いまの自分と樺地の関係と何ら変わりない。
命令じゃなくて、誘わなければならない。
あまり慣れていないことは完璧なはずの自分でも容易ではない。
RRRR……
華やかなオルゴールの音色がサイドテーブルの携帯からあふれ出した。
たったひとりのために設定した曲だった。
少し緊張した面持ちで画面を見る。
『明日また一緒に練習しませんか?』
何の飾りっ気もそれどころか女らしさの欠片もない文字列がそこにはあった。
けれども笑みが浮かぶのは何故だろう?
「…チッ、先を越されちまったな」
簡潔な言葉に対してこちらも簡潔に応える。
自分の文章力を持ってすればどんな言葉だって彼女に伝えられるだろう。
けれども迂闊にも長い文章で彼女に気持ちが伝わってしまったら?
自分の口から紡いだ言葉ではなくてこんな無機質なモノから。
「いつかちゃんと俺様から言わねえとな」
結局ディスプレイに打ち込まれたのはこれ以上短くしようのないものだった。
自分の気持ちがこぼれようのない程に。
『いつものところで』
END
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