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本文なし
なぜ、こんなことで悩まなければならないのかと思う半面、
彼のためなんだからとことん悩んでやろうと思う。
激しく矛盾した気持ち。
跡部さんへのプレゼント。
今年はどうしよう。
*一緒に悩もう
「で、なんで俺様に直接訊きに来るんだよ。
そんなの自分で考えろ、普通女ってそう言うこと考えるの好きだろうが」
あきれ顔で跡部景吾はまるで子犬のような目でこちらを見る巴に答える。
「プレゼントは何が欲しいですか?」なんて訊かれたのは初めてだった。
自分についてそれなりに知る者は、
あくまで跡部景吾のイメージでプレゼントを押しつけてくるし
自分についてほとんど知らない者は、
ストーカーのごとく調査してプレゼントを送りつけてくる。
これまで色んな人間から数え切れないほどプレゼントを貰ってきたが
多少気に入ったものはあったにしても、嬉しいと感じるものなどなかった。
大概が義理だったり自分に取り入ろうとするための賄賂だったからだ。
別にそれが不満だと思ったことはなかった。
自分ほどの人間になれば近づきたいのが当然だろうと思っている。
しかし、巴にプレゼントの希望を訊かれて、
不安と喜びが綯い交ぜとなる自分の感情に驚いた。
巴からプレゼントをもらえるというのは純粋に嬉しい。
初めて自分が心からプレゼントを求めていることに気付く。
だが、贈り物を考えることを放棄している巴に不安を覚える気持ちもある。
ここのところ常に隣にいる相手であり、
己の認める唯一の女ではあるが
実際巴本人の気持ちはどこにあるのか?
もしかして、俺様のプレゼントって義理なのか?
そんな疑問が鎌首をもたげる。
「自分で考えろ…って、精一杯考えましたよ!
でも、跡部さんてこれまで山のように貰ってるだろうし
私のような庶民じゃ跡部さんの欲しいものなんて考えつかないし
結局、一番欲しいものを知りたいなら訊くしか無いじゃないですか。
私、跡部さんが本当に欲しいと思うものを贈りたいんです」
不満げに口を尖らせながら巴はそう答える。
「……そりゃ、もっとも跡部さんが欲しいものを私が買えるとは思いませんが」
「お前なあ……、いくら俺様でもお前から欲しいものを訊かれて
入手不可そうなものは答えるわけねえだろ?」
巴の素直すぎる言葉に肩を落としつつそう答える。
掛け値なしにストレートだ。
駆け引きとか何も考えてはいない。
おそらく心底、跡部の欲しいと思うものを贈りたいのだろう。
馬鹿なヤツだ。
俺様の欲しいものなど、お前から贈られたいものなど一つに決まっている。
それがお前にも分からないとは思えないが?
「あっ…!でも「私」とか言うのはナシですからね?買えるもので!」
…………妙に聡いことを言うときがあるな、コイツ。
『買えるもので』何不自由なく暮らす自分には難しい質問だと、頭を悩ませる。
なぜ、こんなことで悩まなければならないのかと思う半面、
せっかく巴が訊いているのだからとことん悩んでやろうと思う。
激しく矛盾した気持ち。
仕方ない、コイツのためにたまには悩んでみるか。
「おい、愛の言葉の一つでも囁いてくれたら答えてやってもイイぜ?」
「…………それがプレゼントってことじゃダメですかねえ?」
「お前が『買えるもので』って言ったんじゃねえか、却下」
END
なぜ、こんなことで悩まなければならないのかと思う半面、
彼のためなんだからとことん悩んでやろうと思う。
激しく矛盾した気持ち。
跡部さんへのプレゼント。
今年はどうしよう。
*一緒に悩もう
「で、なんで俺様に直接訊きに来るんだよ。
そんなの自分で考えろ、普通女ってそう言うこと考えるの好きだろうが」
あきれ顔で跡部景吾はまるで子犬のような目でこちらを見る巴に答える。
「プレゼントは何が欲しいですか?」なんて訊かれたのは初めてだった。
自分についてそれなりに知る者は、
あくまで跡部景吾のイメージでプレゼントを押しつけてくるし
自分についてほとんど知らない者は、
ストーカーのごとく調査してプレゼントを送りつけてくる。
これまで色んな人間から数え切れないほどプレゼントを貰ってきたが
多少気に入ったものはあったにしても、嬉しいと感じるものなどなかった。
大概が義理だったり自分に取り入ろうとするための賄賂だったからだ。
別にそれが不満だと思ったことはなかった。
自分ほどの人間になれば近づきたいのが当然だろうと思っている。
しかし、巴にプレゼントの希望を訊かれて、
不安と喜びが綯い交ぜとなる自分の感情に驚いた。
巴からプレゼントをもらえるというのは純粋に嬉しい。
初めて自分が心からプレゼントを求めていることに気付く。
だが、贈り物を考えることを放棄している巴に不安を覚える気持ちもある。
ここのところ常に隣にいる相手であり、
己の認める唯一の女ではあるが
実際巴本人の気持ちはどこにあるのか?
もしかして、俺様のプレゼントって義理なのか?
そんな疑問が鎌首をもたげる。
「自分で考えろ…って、精一杯考えましたよ!
でも、跡部さんてこれまで山のように貰ってるだろうし
私のような庶民じゃ跡部さんの欲しいものなんて考えつかないし
結局、一番欲しいものを知りたいなら訊くしか無いじゃないですか。
私、跡部さんが本当に欲しいと思うものを贈りたいんです」
不満げに口を尖らせながら巴はそう答える。
「……そりゃ、もっとも跡部さんが欲しいものを私が買えるとは思いませんが」
「お前なあ……、いくら俺様でもお前から欲しいものを訊かれて
入手不可そうなものは答えるわけねえだろ?」
巴の素直すぎる言葉に肩を落としつつそう答える。
掛け値なしにストレートだ。
駆け引きとか何も考えてはいない。
おそらく心底、跡部の欲しいと思うものを贈りたいのだろう。
馬鹿なヤツだ。
俺様の欲しいものなど、お前から贈られたいものなど一つに決まっている。
それがお前にも分からないとは思えないが?
「あっ…!でも「私」とか言うのはナシですからね?買えるもので!」
…………妙に聡いことを言うときがあるな、コイツ。
『買えるもので』何不自由なく暮らす自分には難しい質問だと、頭を悩ませる。
なぜ、こんなことで悩まなければならないのかと思う半面、
せっかく巴が訊いているのだからとことん悩んでやろうと思う。
激しく矛盾した気持ち。
仕方ない、コイツのためにたまには悩んでみるか。
「おい、愛の言葉の一つでも囁いてくれたら答えてやってもイイぜ?」
「…………それがプレゼントってことじゃダメですかねえ?」
「お前が『買えるもので』って言ったんじゃねえか、却下」
END
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