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マンネリなクリスマスを打破するべくとった方法とは……?
***
困った。
ネタがない。
赤月巴と観月はじめは出会ってから3年が過ぎていた。
バレンタインに誕生日にクリスマスにそれ以外の記念日にも
お互いがお互いのためを考えてプレゼントを贈り合っていた。
趣味に関係するもの、好きなもの。
もちろんテニスに関するものも思いつく限り贈った。
そうして、今年のクリスマスプレゼントは
気づいたらネタが尽きていた。
---
ネタが尽きて…という話を素直に観月に話したら、こう尋ねられた。
「それで?キミは結局ボクに何をくれるというのです?」
結局巴が選んだのは自分とペアのペンダント。
無難すぎるチョイスだ。
自分でも無難すぎることは分かり切っているので、
なかなか言い出しづらい。
「えっ、えーと…わたしでーす。えへへ」
とりあえず冗談めかしてそう言ってみる。
すると一瞬顔を赤らめた観月だったが、
その顔はすぐに引き締まり冷たい口調で答えた。
「馬鹿なことを言わない」
「べっ、別に馬鹿なことだとは思いませんよっ!」
思いつきで口にした言葉だったが、
たとえ本当にそう言うことになったとしても異論はないので
思わずムキになって反論してしまう。
しかし、相変わらず観月の表情は締まったままだ。
「馬鹿なこと、ですよ。ボクにとってはね。
そんな安易なことでキミに飛びつくような男には
なりたくないですから。
それに、そのプレゼントはもうすでに貰ってますからね、
それこそマンネリですよ」
観月はそう言いきってから、ようやく顔をゆるめる。
そして巴が後ろ手に隠し持っていた紙袋をさっと奪い取る。
反射神経も良い巴から綺麗に奪い取れる
タイミングを窺っていたのだ。
「あっ…!」
アクセサリーショップのロゴの入った小さな紙袋を観月は眺めた。
「そうですか、アクセサリーですね。
ここのブランドはムダのない綺麗なデザインですから好きですよ。
今キミの胸元で揺れている見慣れないユニセックスなペンダントと
お揃いなんでしょう?
ありがとうございます、大切にしますよ」
すっかり観月は巴を読み切っている。
巴は悔しい気持ち半分、
分かってくれてる嬉しさ半分と言ったところだ。
「アクセサリーとは奇遇ですね、
じゃあボクもキミにプレゼントしましょう」
そう言って観月は巴の左手を取り、自分に引き寄せる。
そして薬指から現在巴が嵌めていた、
かつて自分が贈った指輪を抜き取り、
彼は違う指輪を新たに嵌めた。
「観月さん?これは…?」
一見、シンプルな指輪に見えるが、
よく見ると先日巴が欲しいと思っていた3連リングの一つのようだ。
3つ併せて身に着けるとクローバーのリングへと形を変えるもの、
どうやら、そのリングのようだ。
以前、ショウケースの前で
よだれを垂らしそうになりながら眺めていたのを
どうやら観月は覚えていたらしい。
「これって、あのクローバーの?」
「ええ、欲しがっていたでしょう?」
「はい…でも、あの、これ3連ですよね?」
しかし、指に嵌っているのは1つだけ。
一体どういったことなのかよく分からず首をかしげる。
「んふっ、来年のクリスマスに2つ目、
再来年に3つ目を贈りますよ。
つまり、3年経ったら幸運をもたらすクローバーになるんです」
巴は言っている意味自体は分かったが、その真意が掴めない。
ただ、不思議そうな顔をして観月が言葉を続けるのを待った。
「キミの指のクローバーは次の年のクリスマスに
きっとダイヤの指輪に変わります。
さらに、その次の年にはボクとお揃いのプラチナの指輪に
━━━どうですか?」
いくら鈍い巴とはいえ、観月の言わんとすることは流石に分かった。
分かった途端、嬉しすぎて体中の力が抜けてしまった。
足がガクッとなったところで、観月は慌てて抱き留めて支える。
「巴くん…?大丈夫ですか?」
まさか、巴が嫌がって力を無くしたとは観月も思っていないが
それでも心配そうに彼女の顔をのぞき込む。
巴は顔も赤いが、まなじりも赤く潤んでいる。
普段見慣れないその表情に、
観月は彼女には未だ自分の見知らぬ面があることを嬉しく思った。
「大丈夫です━━━嬉しくて力が抜けただけですから」
「嬉しい?それは良かった。受け取って貰えると言うことですよね」
観月は巴を抱き留めていた腕に力と想いを込め、
巴は彼の背中に腕を回した。
巴の耳元近くで観月のため息混じりの声がする。
「しかし…毎年クリスマスに指輪を贈るって
…ボクの方がマンネリなんでしょうかね?」
END
***
困った。
ネタがない。
赤月巴と観月はじめは出会ってから3年が過ぎていた。
バレンタインに誕生日にクリスマスにそれ以外の記念日にも
お互いがお互いのためを考えてプレゼントを贈り合っていた。
趣味に関係するもの、好きなもの。
もちろんテニスに関するものも思いつく限り贈った。
そうして、今年のクリスマスプレゼントは
気づいたらネタが尽きていた。
---
ネタが尽きて…という話を素直に観月に話したら、こう尋ねられた。
「それで?キミは結局ボクに何をくれるというのです?」
結局巴が選んだのは自分とペアのペンダント。
無難すぎるチョイスだ。
自分でも無難すぎることは分かり切っているので、
なかなか言い出しづらい。
「えっ、えーと…わたしでーす。えへへ」
とりあえず冗談めかしてそう言ってみる。
すると一瞬顔を赤らめた観月だったが、
その顔はすぐに引き締まり冷たい口調で答えた。
「馬鹿なことを言わない」
「べっ、別に馬鹿なことだとは思いませんよっ!」
思いつきで口にした言葉だったが、
たとえ本当にそう言うことになったとしても異論はないので
思わずムキになって反論してしまう。
しかし、相変わらず観月の表情は締まったままだ。
「馬鹿なこと、ですよ。ボクにとってはね。
そんな安易なことでキミに飛びつくような男には
なりたくないですから。
それに、そのプレゼントはもうすでに貰ってますからね、
それこそマンネリですよ」
観月はそう言いきってから、ようやく顔をゆるめる。
そして巴が後ろ手に隠し持っていた紙袋をさっと奪い取る。
反射神経も良い巴から綺麗に奪い取れる
タイミングを窺っていたのだ。
「あっ…!」
アクセサリーショップのロゴの入った小さな紙袋を観月は眺めた。
「そうですか、アクセサリーですね。
ここのブランドはムダのない綺麗なデザインですから好きですよ。
今キミの胸元で揺れている見慣れないユニセックスなペンダントと
お揃いなんでしょう?
ありがとうございます、大切にしますよ」
すっかり観月は巴を読み切っている。
巴は悔しい気持ち半分、
分かってくれてる嬉しさ半分と言ったところだ。
「アクセサリーとは奇遇ですね、
じゃあボクもキミにプレゼントしましょう」
そう言って観月は巴の左手を取り、自分に引き寄せる。
そして薬指から現在巴が嵌めていた、
かつて自分が贈った指輪を抜き取り、
彼は違う指輪を新たに嵌めた。
「観月さん?これは…?」
一見、シンプルな指輪に見えるが、
よく見ると先日巴が欲しいと思っていた3連リングの一つのようだ。
3つ併せて身に着けるとクローバーのリングへと形を変えるもの、
どうやら、そのリングのようだ。
以前、ショウケースの前で
よだれを垂らしそうになりながら眺めていたのを
どうやら観月は覚えていたらしい。
「これって、あのクローバーの?」
「ええ、欲しがっていたでしょう?」
「はい…でも、あの、これ3連ですよね?」
しかし、指に嵌っているのは1つだけ。
一体どういったことなのかよく分からず首をかしげる。
「んふっ、来年のクリスマスに2つ目、
再来年に3つ目を贈りますよ。
つまり、3年経ったら幸運をもたらすクローバーになるんです」
巴は言っている意味自体は分かったが、その真意が掴めない。
ただ、不思議そうな顔をして観月が言葉を続けるのを待った。
「キミの指のクローバーは次の年のクリスマスに
きっとダイヤの指輪に変わります。
さらに、その次の年にはボクとお揃いのプラチナの指輪に
━━━どうですか?」
いくら鈍い巴とはいえ、観月の言わんとすることは流石に分かった。
分かった途端、嬉しすぎて体中の力が抜けてしまった。
足がガクッとなったところで、観月は慌てて抱き留めて支える。
「巴くん…?大丈夫ですか?」
まさか、巴が嫌がって力を無くしたとは観月も思っていないが
それでも心配そうに彼女の顔をのぞき込む。
巴は顔も赤いが、まなじりも赤く潤んでいる。
普段見慣れないその表情に、
観月は彼女には未だ自分の見知らぬ面があることを嬉しく思った。
「大丈夫です━━━嬉しくて力が抜けただけですから」
「嬉しい?それは良かった。受け取って貰えると言うことですよね」
観月は巴を抱き留めていた腕に力と想いを込め、
巴は彼の背中に腕を回した。
巴の耳元近くで観月のため息混じりの声がする。
「しかし…毎年クリスマスに指輪を贈るって
…ボクの方がマンネリなんでしょうかね?」
END
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