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本文なし
『柔らかな』
相変わらずきめ細やかで綺麗な肌。
よく整った、少し陰りのある綺麗な横顔。
私よりも白い腕は程よく筋肉質でしなやかで、
私は思わずため息をつく。
あ~あ。
「巴くん?どうしたんですか?」
私の憂いの表情を見て眉をひそめる観月さん。
だって、ねえ?
憂いもするよ。こんなんじゃ。
「…観月さん、ずるいなあ」
「ずるい?」
謂われのない発言に怪訝そうな観月さんをまじまじと見る。
こんな時の表情まで整っている。
「観月さんって、どんなときでも綺麗なんだもん!
女の私としては自信なくしちゃいますよ!」
「自信…ですか?」
「そうです!」
ほら!
隣に座っている観月さんの手を引き寄せて
自分の腕と比べるように並べてみる。
「腕一つとってもそうですよ!
私の腕なんて色黒でまだまだ柔らかいのに…」
観月さんみたいに
白くて引き締まった腕だったらどんなに良いだろう。
思わず憧憬のまなざしを向けてしまう。
頑張っても頑張っても美白は出来ないし
程よい筋肉もなかなかついてくれないし。
私も観月さんみたいに綺麗に生まれてくれば良かったのになあ。
正直に告白する。
「そんなこと、キミが言ってはいけませんね。
男のボクにとってみれば、色白や過剰につかない筋肉、
綺麗な顔というのもかなりコンプレックスなんですよ。
テニスプレーヤーとしては損にはなれど何の得にもなりませんし」
「あ…」
たしかに、そうなのかも知れないなあ。
人って難しい…。
「それに、キミはこのままでいいんですよ」
まさか、もっと私が綺麗なら、
引き締まった身体なら嬉しいんじゃないですか?
普通誰だってそうじゃないですか?
私が不思議そうな顔をしていると、
不意に腰から身体を引き寄せられた。
そうすると当然密着して抱き寄せられる格好になってしまう。
観月さんはたまに大胆なことをするけれど
いつも突然すぎて慣れることがない。
今も当然、突然のことで身体が真っ赤になってしまう。
「キミは、このままで、いいんです。
第一に、
キミの容姿は標準以上で毎日のケアもちゃんと怠っていない。
これ以上綺麗になることはあっても衰えることはないでしょう?
第二に、容姿や肌の色でボクは人を好きになることはありません」
わわっ、人を好きになるって…。
この場合私のこと…なんだよね?
「そして、これが大事なんですけど…。
第三に、これ以上キミが筋肉質になってしまったら
抱き心地が悪くなってしまうでしょう?
そりゃキミはキミで変わりませんけど
それはボクにとって大きな損失、不都合なんですよ」
私を抱き寄せている腕にさらに力を込める。
そして、周囲には聞こえないような声で耳元で囁く。
「本当の意味では、
まだキミの柔らかな抱き心地も味わっていないんですから…ね」
END
『柔らかな』
相変わらずきめ細やかで綺麗な肌。
よく整った、少し陰りのある綺麗な横顔。
私よりも白い腕は程よく筋肉質でしなやかで、
私は思わずため息をつく。
あ~あ。
「巴くん?どうしたんですか?」
私の憂いの表情を見て眉をひそめる観月さん。
だって、ねえ?
憂いもするよ。こんなんじゃ。
「…観月さん、ずるいなあ」
「ずるい?」
謂われのない発言に怪訝そうな観月さんをまじまじと見る。
こんな時の表情まで整っている。
「観月さんって、どんなときでも綺麗なんだもん!
女の私としては自信なくしちゃいますよ!」
「自信…ですか?」
「そうです!」
ほら!
隣に座っている観月さんの手を引き寄せて
自分の腕と比べるように並べてみる。
「腕一つとってもそうですよ!
私の腕なんて色黒でまだまだ柔らかいのに…」
観月さんみたいに
白くて引き締まった腕だったらどんなに良いだろう。
思わず憧憬のまなざしを向けてしまう。
頑張っても頑張っても美白は出来ないし
程よい筋肉もなかなかついてくれないし。
私も観月さんみたいに綺麗に生まれてくれば良かったのになあ。
正直に告白する。
「そんなこと、キミが言ってはいけませんね。
男のボクにとってみれば、色白や過剰につかない筋肉、
綺麗な顔というのもかなりコンプレックスなんですよ。
テニスプレーヤーとしては損にはなれど何の得にもなりませんし」
「あ…」
たしかに、そうなのかも知れないなあ。
人って難しい…。
「それに、キミはこのままでいいんですよ」
まさか、もっと私が綺麗なら、
引き締まった身体なら嬉しいんじゃないですか?
普通誰だってそうじゃないですか?
私が不思議そうな顔をしていると、
不意に腰から身体を引き寄せられた。
そうすると当然密着して抱き寄せられる格好になってしまう。
観月さんはたまに大胆なことをするけれど
いつも突然すぎて慣れることがない。
今も当然、突然のことで身体が真っ赤になってしまう。
「キミは、このままで、いいんです。
第一に、
キミの容姿は標準以上で毎日のケアもちゃんと怠っていない。
これ以上綺麗になることはあっても衰えることはないでしょう?
第二に、容姿や肌の色でボクは人を好きになることはありません」
わわっ、人を好きになるって…。
この場合私のこと…なんだよね?
「そして、これが大事なんですけど…。
第三に、これ以上キミが筋肉質になってしまったら
抱き心地が悪くなってしまうでしょう?
そりゃキミはキミで変わりませんけど
それはボクにとって大きな損失、不都合なんですよ」
私を抱き寄せている腕にさらに力を込める。
そして、周囲には聞こえないような声で耳元で囁く。
「本当の意味では、
まだキミの柔らかな抱き心地も味わっていないんですから…ね」
END
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